2024年のサウジアラビア・プロフェッショナルリーグ（SPL）は、豪華なスター選手を多数獲得しているにもかかわらず、観客数の低迷という深刻な問題に直面しています。特に地方都市での試合において、この傾向が顕著です。今回は、2024年1月に行われたある試合を通じて、この問題の一端を探ります。
低迷する観客数の具体例：アル・フェイハ対アル・アブハ
2024年1月のある日、アル・フェイハとアル・アブハの試合がアル・マジマー市のアル・マジマー・スタジアムで行われました。この試合は、スタジアムの収容人数15,000人に対して、わずか420人の観客しか集まりませんでした。スタジアムはほとんどが空席であり、選手たちの士気にも影響を与える静かな雰囲気が漂っていたそうです。
地方都市における観客動員の難しさ
このような観客数の低迷にはいくつかの要因が考えられます。まず、地方都市では大都市に比べてサッカーに対する関心が低いことが挙げられます。地方の住民は、仕事や家庭の都合から試合観戦に足を運ぶことが難しい場合が多く、交通手段の制約も一因となっています。
高額選手の効果が限定的な理由
クリスティアーノ・ロナウドやネイマールといったスター選手の存在が観客数増加に繋がらない理由の一つとして、彼らの試合が主に大都市で行われることが挙げられます。地方のチームにはこうしたスター選手が所属しておらず、地元のファンが興味を持ちにくい状況です。また、テレビやインターネットで試合を観戦することが容易なため、現地での観戦を選ばないファンも多いようです。
観客数増加に向けた取り組み
サウジアラビアは、「ビジョン2030」の一環として、スポーツを通じた国際的な影響力の拡大を目指しています。SPLもこのビジョンに沿って、観客数の増加を目指した様々な取り組みを進めており、地方都市での試合における交通手段の改善や、地域密着型のプロモーション活動が計画されています。また、地方のチームにもスター選手を配することで、地域全体のサッカー熱を高める方針です。
