2026年1月、国際サッカー連盟(FIFA)は、北米で開催される2026年FIFAワールドカップ(W杯)に向け、TikTokを史上初の「優先プラットフォーム(Preferred Platform)」に認定する戦略的パートナーシップを締結したと発表しました。この提携は、48カ国が参加し104試合が行われる史上最大規模の大会において、デジタルネイティブ世代(Z世代)へのリーチを最大化し、従来のテレビ放送を補完する新たな視聴体験を提供することを目的としています。
初の「優先プラットフォーム」選出と専用ハブの構築
今回の提携により、TikTok内に「FIFAワールドカップ2026ハブ」が設置されます。これは、TikTok独自のマーケティングツール「TikTok GamePlan」を活用した没入型コンテンツの拠点です。ファンはこのハブを通じて、試合のハイライト映像やチケット情報、各都市の開催情報にシームレスにアクセスできるほか、大会限定のカスタムフィルターやステッカー、視聴者が参加できるゲーム化(ゲーミフィケーション)機能を楽しむことができます。
原文リンク:FIFA and TikTok reach first-of-its-kind Preferred Platform agreement (Inside FIFA / English)
グローバル・クリエイター・プログラム:舞台裏への独占アクセス
FIFAとTikTokは、世界中から選抜されたクリエイターに、これまでにない「特権的なアクセス権」を付与するプログラムを開始します。選ばれたクリエイターは、通常はメディア関係者しか立ち入ることのできない記者会見場やトレーニングセッション、スタジアムの舞台裏へのアクセスが可能になります。さらに、一般のユーザーに対しても、FIFAが保有する膨大なアーカイブ映像を自身の投稿で再利用できる権限が与えられ、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を通じた大会の拡散が図られます。
原文リンク:TikTok and FIFA reach first-of-its-kind Preferred Platform agreement (TikTok Newsroom / English)
放送パートナーとの連携と収益化の新たな枠組み
この提携は、既存のテレビ放送局(メディアパートナー)とも密接に連携しています。公式放映権を持つ各国の放送局は、TikTok上で試合の特定シーンのライブストリーミングや、厳選されたクリップ動画を配信することが認められます。また、TikTokのプレミアム広告ソリューションを通じて、これらのコンテンツから直接収益を上げることも可能です。FIFAは、デジタルプラットフォームでの露出増加がライブ視聴を促進すると分析しており、TikTokでスポーツコンテンツを視聴したユーザーは、ライブ中継を視聴する確率が42%向上するというデータも示されています。
原文リンク:TikTok picked by FIFA as video content partner at 2026 World Cup (AP News / English)
まとめと展望:Z世代を熱狂させる「90分超」の体験
今回のFIFAとTikTokの提携は、単なる動画配信の枠を超え、スポーツ観戦が「90分間の試合」から「24時間のデジタル体験」へとシフトしていることを象徴しています。FIFA事務総長のマティアス・グラフストローム氏は「ファンとこれまでにない方法で結びつくための革新的な試み」と強調しており、北米大会はソーシャルメディアが主役となる最初のW杯になると予想されます。今後は、日本代表を含む各チームのキャンプ地からのリアルタイム発信や、ファン参加型の応援プロジェクトなど、具体的なコンテンツ展開に注目が集まります。