2026年FIFAワールドカップ(W杯)のチケット販売が、スポーツ史上類を見ない規模に達しています。FIFAが発表した「5億件を超える購入申請」という数字は、前回のカタール大会(約2,700万件)を遥かに凌駕する圧倒的な熱狂を裏付けています。
本記事では、この驚異的なチケット需要がオランダ、チュニジア、そして欧州予選プレーオフ・パスBの各国にどのような影響を与えているのか、最新の国際報道をもとに深掘りします。
5億件の衝撃:パンデミック後、初の「完全開放」が招く爆発的需要
2026年1月13日に締め切られた第3次販売(抽選販売)において、申請数が5億件を突破したというニュースは、世界中のメディアに衝撃を与えました。FIFAのインファンティーノ会長は「サッカーはもはやスポーツの枠を超え、人類最大の文化的イベントになった」とコメントしています。
特に今回の需要増を牽引しているのは、開催国であるアメリカ、メキシコ、カナダの北米勢に加え、オランダ、イングランド、ドイツ、ブラジルといった伝統的な強豪国のファンです。パンデミックの影響を完全に脱し、48カ国に拡大された初の大規模大会という点が、これまでにない「移動と観戦」の意欲を掻き立てています。
- 原文リンク: FIFA says it’s received more than 500 million World Cup ticket requests – CBS News (2026/01/15)
- 原文リンク: World Cup 2026 tickets: Record-breaking demand for expanded tournament – BBC Sport (2026/01/15)
オランダ・チュニジアファンの動向:グループFの「オレンジと赤」が北米を席巻
グループFに属するオランダとチュニジアのサポーターにとっても、チケット入手は死活問題となっています。
オランダの有力紙『De Telegraaf』は、オランダ国内からの申請数が前回大会の3倍に達したと報じています。特にファン・ニステルローイ氏のコーチ復帰が発表されて以降、代表チームへの期待値が高まり、北米在住のオランダ系住民からの申請も急増しています。
一方、チュニジア代表のサポーターも熱狂的です。北米(特にフランス語圏のケベック州など)にはチュニジアの大きなコミュニティがあり、モンテレイやカンサスシティで行われる試合に「赤い波」が押し寄せることが予想されています。チケット需要の高さから、チュニジア代表の試合はすでに「入手困難」なカテゴリーに分類されています。
- 原文リンク: WK-koorts stijgt: Enorme run op tickets voor Oranje in de VS – De Telegraaf (2026/01/16)
- 原文リンク: Engouement sans précédent pour les aigles de Carthage : les supporters tunisiens se ruent sur les billets du Mondial 2026 – L’Équipe (2026/01/15)
欧州予選プレーオフ・パスB:未確定の1枠を巡る「先行投資型」申請
最も興味深い現象は、まだ本大会出場が決まっていないウクライナ、アルバニア、スウェーデン、ポーランドの4カ国におけるチケット需要です。
3月のプレーオフを前に、これらの国のファンは「自国が勝ち抜くこと」を前提にチケットを先行申請しています。特にウクライナやポーランドからの申請が目立っており、欧州メディアはこれを「不確実性の中の情熱」と評しています。グループFの最後の一枠(パスB勝者)がどの国になっても、スタジアムが満員になることは確実視されています。
経済的影響:チケット争奪戦がもたらす「開催都市のバブル」
この5億件という需要は、単なる観戦希望に留まらず、多大な経済的インパクトを各都市に与えています。
ニューヨーク・ニュージャージーやマイアミなどの開催都市では、チケット当選発表(2月5日予定)を前に、ホテル予約がすでに飽和状態に近づいています。一部の経済誌は、チケットを入手できなかったファンがスタジアム周辺の「ファンフェスティバル」に押し寄せることで、開催期間中に数十億ドルの経済効果が生まれると予測しています。
まとめと展望
2026年W杯のチケット需要は、当初の予想を遥かに超える「5億件」という天文学的な数字に達しました。これは、拡大された48カ国開催というフォーマットが、世界中のファンの期待を呼び起こした結果と言えます。