グループステージが終了したEURO2024。ドイツの専門誌kickerがポジティブとネガティブ、二つの面からこれまでの大会を振り返っています。
ポジティブな面
派手さと熱気
EURO2024は、これまでの試合で多くの感動を与えてきました。ワールドカップと比較して、欧州選手権には独自の魅力があります。開催国ドイツの熱心なサポーターたちがスタジアムを埋め尽くし、他国のファンと共に素晴らしい雰囲気を作り上げています。スコットランドのタータン軍団がシュトゥットガルトに到着し、バグパイプの音が響き渡ったシーンは、その一例です。
VARの成功
VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)は、これまでの試合で必要な時に的確に介入し、試合の流れをスムーズに保っています。特にイタリア対クロアチア戦の8分間のロスタイムは、大きな話題となりましたが、重大な誤審を防ぎ、試合の公正性を保つ役割を果たしました。
新たなスター選手の登場
ユーロ2024では、新たなスター選手たちが注目されています。イタリアのリカルド・カラフィオーリはその一人で、彼のカリスマ性とパフォーマンスは多くのファンを魅了しています。また、スペインの若手ウィンガー、ニコ・ウィリアムズとラミン・ヤマルも、アタッキングサードでのプレーが非常に印象的です。
ネガティブな面
交通渋滞
一方で、交通渋滞が大きな問題となっています。特に地元の公共交通機関は、ファンやジャーナリストにとって大きなストレスとなっています。『The Athletic』紙は、「EURO2024とドイツの効率性:あなたが知っていると思っていたことはすべて忘れろ」と報じ、ゲルゼンキルヒェンでのイングランド・サポーターの困惑を伝えています。
オウンゴールの多発
今回の欧州選手権では、オウンゴールが異常に多いことが指摘されています。クロアチア戦のグジャスーラ(アルバニア)、ポルトガル戦のアカディン(トルコ)、オーストリア戦のマレン(オランダ)など、ディフェンダーが自陣のゴールネットにボールを入れるシーンが多く見られました。攻撃プレーがより洗練され、危険なエリアへの鋭いクロスが増えたことが原因と考えられます。
ラファエル・レオンの失敗
ポルトガルのラファエル・レオンは、今大会で期待外れのパフォーマンスを見せています。ミランの左ウインガーとして期待されていましたが、2試合ともファウルで警告を受け、3試合目は出場停止となりました。これにより、チーム内での競争が激化し、彼の存在感が薄れてしまいました。
小国の活躍と強豪国の停滞
今回の欧州選手権では、ジョージアやアルバニアといった小国が大きな存在感を示しています。ジョージアはポルトガルに勝利し、アルバニアは欧州選手権史上最速のゴールを決めました。一方で、イングランドやフランスといった強豪国は、ノックアウトステージ進出を決めているものの、そのパフォーマンスには物足りなさを感じるファンも多いようです。