EURO2024準決勝でオランダを2-1で破ったイングランド。イングランド代表監督、ガレス・サウスゲイトは、大会開始以来、リスクを取らないと酷評されてきました。しかし、この試合で冴えた采配を披露し、批判を覆しました。フランスのスポーツ紙『レキップ』が、ガレス・サウスゲイト監督とイングランド代表のオランダ戦での劇的な勝利について詳細な分析を行なっています。
苦しいスタートと絶え間ない批判
イングランド代表は、大会の序盤で苦戦を強いられ、サウスゲイト監督の保守的な選択に対する批判が絶えませんでした。元イングランド代表選手であるゲーリー・リネカーやアラン・シアラーもその批判の先頭に立っていました。
試合をひっくり返した采配
10日の試合後、アラン・シアラーは『BBC 5 live』で、「いつ変更されるのかと思っていたよ……。まあ、適切なタイミングで変更されたし、完璧なものになったよ」とコメント。シアラーは特に、後半開始直後にルーク・ショーを投入したことが、左サイドでプレーに苦しんでいたキーラン・トリッピアーに代わり、チームの安定に貢献したと評価しました。
勝利を決定づけた交代策
サウスゲイト監督は、前半で輝きを放っていたキャプテンのハリー・ケインとフィル・フォーデンをそれぞれオリー・ワトキンス(81分)とコール・パーマー(80分)に代えました。この直感的な交代策が功を奏し、ワトキンスは10分も経たないうちに決定的なシュートを放ち、右足からの低いクロスがゴール左隅に飛び込んで、イングランドをユーロ決勝に導きました。
選手交代の慧眼
サウスゲイト監督は、大会が始まって以来、先発メンバーをほとんど変えてこなかったものの、スロベニア戦やスロバキア戦で交代選手が試合を盛り上げる場面が見られました。特に、トレント・アレクサンダー=アーノルドやコール・パーマー、トニーは、スイス戦のPK戦で重要な役割を果たしました。
ワトキンスの忍耐と成功
オリー・ワトキンスは、10日の試合前にはデンマーク戦でわずか20分しかプレーしていませんでしたが、彼の忍耐力とサウスゲイト監督の慧眼が、この試合での活躍につながりました。アストン・ヴィラでの印象的なシーズン(24ゴール13アシスト)を経て、ワトキンスは国民的ヒーローとなり、その成功は監督の見識の賜物でもあります。
まとめ
『レキップ』の記事は、ガレス・サウスゲイト監督の戦術的な洞察力と、選手起用の巧みさを称賛しています。オランダ戦での勝利は、イングランド代表がユーロ決勝に進出する大きな一歩となりました。今後の試合でも、サウスゲイト監督の采配に注目が集まることになりそうです。