2026年FIFAワールドカップ(W杯)の開幕が約4か月後に迫るなか、各国代表のベースキャンプ地が次々と確定し、本大会に向けた準備が本格化しています。広大な北米大陸で開催される今大会では、試合間の移動距離や環境適応が従来以上に重要な要素となっており、各国の拠点選びには明確な思想が見て取れます。
本記事では、特に注目を集めているエクアドル、アルゼンチン、ドイツの3か国に焦点を当て、それぞれが選択したベースキャンプの特徴と狙い、そして直近の準備状況について整理します。
【エクアドル】コロンバスを拠点に最終調整へ
エクアドル代表(ラ・トリ)は、オハイオ州コロンバスをグループステージ期間中の拠点として選定しました。トレーニング施設には、MLSのコロンバス・クルーが使用する最新設備「オハイオヘルス・パフォーマンス・センター」を利用します。宿泊先は市内のホテルが予定されていると報じられています。
コロンバスは大学都市として知られ、比較的落ち着いた環境と高水準のスポーツ施設を兼ね備えている点が評価されたとされています。騒音や過度なメディア露出を避けながら、トレーニングに集中できる環境を重視した選択と見られます。
また報道によれば、3月の国際親善試合として欧州遠征が計画されており、モロッコ代表およびオランダ代表との対戦が予定されているとされています。強豪国との対戦を通じて、本大会直前の戦術確認を進める狙いがあるとみられます。
【アルゼンチン】カンザスシティを拠点に連覇を目指す
前回王者アルゼンチン代表は、米国中西部のカンザスシティをベースキャンプに選びました。トレーニングは、スポルティング・カンザスシティの施設である「コンパス・ミネラルズ・ナショナル・パフォーマンス・センター」で行われます。
カンザスシティは米国内の地理的な中心に位置し、複数都市への移動が比較的容易である点が特徴です。グループステージ初戦を同地で戦う予定であることに加え、その後の移動負担を抑えることも選定理由の一つとされています。
宿泊先については、市内ホテルが利用されると報じられていますが、詳細は公式発表では明らかにされていません。
また、3月にはカタール・ドーハでスペイン代表との国際試合が予定されており、本大会に向けた重要なテストマッチとして注目されています。
【ドイツ】近接環境を重視したノースカロライナ拠点
ドイツ代表は、ノースカロライナ州ウィンストン・セーラムをベースキャンプ地に指定しました。トレーニングはウェイクフォレスト大学の「W.デニー・スプライ・サッカースタジアム」で行われ、宿泊先には歴史的建造物として知られる「ザ・グレイリン・エステート」が使用されます。
ドイツサッカー連盟(DFB)の発表によると、練習施設と宿泊施設が近接している点が大きな評価ポイントとなりました。広大な開催地域において日常的な移動を最小限に抑え、トレーニングへの集中度を高める環境づくりが重視されています。
スケジュールとしては、6月2日にシカゴ入りし、6日に米国代表との親善試合を行った後、ベースキャンプ地へ移動する予定です。
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まとめと展望
今回のベースキャンプ選定からは、各国が北米開催特有の課題にどのように対応しようとしているかが明確に見えてきます。アクセスの利便性を優先したアルゼンチン、環境と施設品質を重視したエクアドル、そして日常的な移動の削減を重視したドイツ。それぞれ異なるアプローチながら、共通しているのは「移動リスク管理」という考え方です。
3月下旬には各国の親善試合が実施される予定であり、さらに大陸間プレーオフの結果も判明します。本大会に向けた準備が本格化するなか、長距離移動を前提としたコンディション管理が、2026年W杯の結果を左右する重要な要素となりそうです。