2026年FIFAワールドカップは、史上初となる48チーム制で開催されます。大会規模の拡大は試合数の増加や開催都市の分散といった表面的な変化だけでなく、各国代表の準備プロセスにも大きな影響を及ぼしています。
その象徴的な例として、イングランド代表が大会直前の親善試合(ウォームアップマッチ)の調整に苦戦している状況が報じられています。本記事では、最新報道に基づき、大会形式の変更が代表チームの準備にどのような影響を与えているのかを整理します。
48チーム制がもたらした準備スケジュールの変化
2026年大会では出場国が32から48へと拡大され、グループステージの日程が従来よりも長期化します。この変更により、各国の初戦日程に大きな差が生まれることになりました。
イングランド代表は、大会開幕(2026年6月11日)から6日後となる6月17日に初戦(対クロアチア)を迎える予定です。一方で、他国の中には開幕直後に試合を行うチームもあり、準備期間の長さにばらつきが生じています。
この日程差が、直前の親善試合を組むうえで大きな制約となっています。大会出場国は初戦直前の試合数やタイミングに制限があるため、日程条件が一致する相手自体が限られてしまうためです。
なぜイングランドは親善試合の調整に苦戦しているのか
イングランドサッカー協会(FA)は大会直前に実戦形式の試合を希望していますが、調整は容易ではありません。
すでに一部のウォームアップマッチについては調整が進んでいると報じられているものの、FAが理想とする「本大会レベルの強度を持つ対戦相手」の確保には至っていない状況です。
主な理由は以下の通りです。
・初戦日程が遅いため、同じタイミングで準備を進める出場国が限られる
・他国にとっては本大会までの間隔が短くなりすぎる可能性がある
・FIFAの大会前活動に関する規定が試合設定の自由度を下げている
これは単なる交渉の問題ではなく、大会形式変更による構造的な問題と言えます。
トゥヘル新体制にとっての意味
2025年から新たに指揮を執るトーマス・トゥヘル監督にとって、大会直前の親善試合は戦術確認や選手間の連携を最終調整する重要な機会です。
しかし現時点では、
・対戦カード
・試合会場
・キャンプ地との連動した準備計画
のいずれも流動的な部分が残っています。親善試合の質とタイミングは、大会序盤のパフォーマンスに直結するため、新体制にとっては無視できない要素となります。
2026年W杯が各国の準備を変える可能性
今回のケースはイングランドだけの問題ではありません。48チーム制によって大会全体のスケジュールが長くなったことで、従来の「大会前に強豪国と1〜2試合行う」という準備モデル自体が見直しを迫られる可能性があります。
今後は、
・出場国以外との親善試合の増加
・早期キャンプインによるコンディション調整
・練習試合の非公開化
など、新しい準備スタイルが一般化する可能性も指摘されています。
まとめ:大会拡大が生んだ新たな競争領域
2026年ワールドカップは、試合数や参加国の増加だけでなく、「大会前の準備そのもの」が勝敗を左右する新しいフェーズに入った大会になる可能性があります。
イングランド代表が直面している親善試合調整の難航は、その変化を象徴する事例と言えます。今後、FIFAによる最終的な試合日程の確定やグループ分けの進展によって、各国の準備計画がどのように変化していくのかが注目されます。